日海コラム目次

マッカーサー将軍とブッシュ大統領の器量の違い

4月より4ヶ月の日本滞在を終えニュージーランドに戻りました。
日本滞在中セミナー等を通し、色々な方とお話をする事が出来ました。
1年近く日本を留守にすると浦島太郎状態に陥っていた自分に気づく事が
出来、大いに収穫がありました。

日本経済は相変わらず低迷を続けており、政治も高崎山のサル集団のごとく
国家国益を忘れた闘争を繰り広げているのにはいささかうんざり致しました。
そういえば2〜3日前に面白いニュースを目に致しました。

それは高崎山のサルのボスが政権交代したそうです。
山のデータを取り続けている人の見解では山の政権交代劇と永田町の
政権交代劇が過去
20年にわたりぴったり一致している様で、
その人の話ではどうやら今回もそうなるのではないかとの事でした。

サルの集団と永田町の集団が同じ目線で見られる事になんとなく笑いを覚え
ました。

イラク戦争が終わり、既に半年以上経ちましたが本当に戦争は
終ったのでしょうか戦争終結後アメリカ、イギリス両軍の戦死者は戦争中の
使者の数を超えました。

そして更に紛争は拡大し続けております。その様な状況の真っ只中に
日本は軍隊(自衛隊)を派遣する事を決定いたしました。
本来は
10月に派遣する事になっていましたが、自民党総裁選それに続く
衆議院解散が有る為、来年に延ばすようです。

元々日本は軍隊を持たない憲法を定めておりますが自衛隊と言う隠れ蓑を
使って海外へ派遣しようとしております。

日本では自衛隊として通りますが、世界から見ればそれは軍服を来た戦闘集団
として見られても仕方の無い事です。

その自衛隊を日本国民の為にではなく、一自民党の党利党略によって危険に
さらす事を国民はどう理解しているのでしょうか?

小泉総理はしきりに日本の国益の為にと訴え続けておりますが、自衛隊を
イラクに派遣して、いったい日本にとってどんな国益が生まれると
言うのでしょうか。
本当にイラク国民の事を考えるのであれば、イラク国民に自国の戦後復興を
させるべきだと考えます。

日本はどのような貢献をするかをもっと真剣に国民に討論させるべきでは
ないでしょうか。

小生はその為にはイラクの優秀な若者や技術者等の人材を日本に招聘し、
日本の技術や考えを習得させその上で技術に伴う原材料や資金を彼ら
自身に与え、彼ら自身の手によって国づくりをさせるべきだと考えます。
ある人はそんな時間は無いと考えるかもしれませんが、決してそんな長い時間
はかからないものです。

中国を見て下さい。
わずか10年で180度以上もちがう経済発展を遂げた事を考えてみてください。
彼らは他国の軍隊の力で国の再建を果たしたのでは有りません。
彼らは上手に他国の資金援助、技術援助を利用してきたのです。
日本国政府は中国に対しODAをはじめとした資金援助や、技術援助を
惜しみも無く与えつづけました。

その結果今では日本に追いつく所まで発展してきている事は皆様の承知の所
だと思います。

イラクに対しても軍隊を派遣するのではなく、中国や他の東南アジア諸国
に行った援助と同じ事をするべきではないでしょうか。

現在の情況でイラクに軍隊や資金を援助したとしてもそれはイラク国民に
とって迷惑であるばかりではなく、日本は戦争を行ったアメリカと言うイラクに
とっては敵国の配下のもとで行った援助行為であり、それはしてもらって当然の
戦後保証として見られるでしょう。

それで済むならまだしも今までイラクの人々が日本に抱いていたイメージが
一変する恐れさえあります。

小生が今までコラムで訴えつづけてきましたこのイラク戦争は大義名分が一つも
無い戦争でした。

現在に至るまでもアメリカの主張する大義名分は見つかっておりません。
それはアメリカ流の戦争と言う経済活動に間違ったコンセプトが利用されたから
です。
 
そのコンセプトとは、他国の資源をただ同然に略奪し様とするものでした。

100
年前なら彼等アングロサクソン人種の考える行動は何の弊害も無く達成
出来たかもしれませんが、現在はそうは行かない事をブッシュ大統領は
計算に入れていなかったのでしょう。

それに彼は大きな間違いを更に犯しました。
イラクの国と言う特殊事情を勉強する事無く戦争に突入した事です。
アラビアンナイトの物語に登場するこの国はアメリカの数倍の歴史を
持った国です。
そしてその中には数々の部族や宗教が入り乱れて構成されている複雑国家
と言えるでしょう。

その様な国をまとめる事が出来るのは神がかりの人か、カリスマ的存在の
人物以外には統治できない事は歴史が物語っております。

ここで今回のコラムの題材であるマッカーサー将軍が登場するわけです。
日本が連合国に敗戦した時、ソビエトやオーストラリアは日本の
天皇陛下を絞首刑にするように準備し始めました。

その事を体を張って阻止したのは連合国最高司令官であるマッカーサー将軍
でした。その後、彼は日本を軍隊が統治するのではなく、日本人の手によって
復興させる事に奮闘し、その結果日本はめざましい戦後復興を成し遂げた事は
皆様ご存知の通りです。彼の戦争のコンセプトは資本主義国家の形成と国民の
自由開放という大きな大義名分が有りました。

決して戦争を自国の経済発展の為に利用するという間違った考えではありま
せんでした。

更にマッカーサー将軍は国家の再建の為にはどのような人物を利用すれば
一番良いかと言う事を知り尽くしておりました。

それは日本国民の祖である日本国天皇を殺す事無く発展の象徴に祭り上げた事に
ありました。

今、小生がお話しなければいけない事はブッシュ大統領が現在行っている
政策ではイラクと言う国は何十年経ってもまとまる事無く混乱が続くでしょう。

そればかりか、アメリカの思惑は外れ、戦死者の数は日を追って増していく
ことは目に見えております。

アメリカはベトナム戦争の二の舞いを犯したのです。

小生が200212月のコラムでお話した事をもう一度御覧下さい。
もしあの時小生がお話した事が現実に起きているか、フランスなどの一部の国が
立ち上がりフセイン大統領を説得できていれば現在の扮装は起きる事は無かった
でしょう。

ブッシュ大統領はフセインと言うカリスマ集団を解体した事により自分の野望も
失う事になった訳です。
この事がマッカーサー将軍とブッシュ大統領の器量の違いが大きく現れた結果と
言えるでしょう。

この器量の小さいブッシュ大統領の言いなりになっている小泉首相の器量の
大きさも自ずから計られるというものです。

今、日本は自民党総裁選と北朝鮮問題、それも拉致問題一色の話題に費やされ
ています。
 
日本の国家の戦略や国益と関係ない問題が大きくクローズアップされ、
マスコミ対策の上手な首相が次期首相に再選される事が間違いありません。

マッカーサー将軍の考えの基、体を張って日本を再建した吉田茂元首相の
ような人はもう日本には現れないのでしょうか。

財界、特に中小企業の皆さんは国家の再建の為に体を張って生きている最中、
高崎山のサル集団と同じ行動をしている先生達の姿がこれからの日本の将来を
物語っているかの様で、情けなくなります。

いずれにせよ、日本国家の再建は日本国民の手によって行うしかありません。
それを行う為には来るべき衆議院選挙において国民一人一人が今まで以上に
信念に基づいた考えで、選挙に臨む必用があるといえるでしょう。

日海